深井くんは、制作で不安になったり悩んだりすると、突然、本筋と関係のない、しかも巨大なスケールの作業を始めてしまい、それで週末とかをまるごと潰しちゃったりするんだけど、その間、とにかく手を動かしていることで安心を得ようとする。僕は、これまで、深井くんのそういう姿を面白可笑しく見てきたけど、でも、新しい意味なるものは、無意味な日常からふっと湧いてくるものであることをかんがみれば、「とりあえず身体を動かす」という深井くんの戦略は、それなりに根拠のあるものだったのかもしれない。。深井くんのご両親は、研究室のイベントに数回、顔を出してくれた。深井くんは、そんな両親を迷惑そうに見るわけでもなく、べったりするわけでもなく、すごく自然な距離感で迎えている。そんな風に、両親とうまく付き合っている大学生を僕は見たことがない。深井くんは、きっといいお父さんになるんだろう。
宮川さんは、研究室に来るまでは全く気づけなかった独特の魅力があって、それで研究テーマ(ウォーターグリッチ)も、彼女のキャラが活きるように、自然と独特な方向性を持つようになっていったんだと思う。展示が終わって、水は乾燥し、空のアクリルだけが残り、グリッチは魔力を失う。そして、このプロジェクトも今後、誰にも引き継がれることなく終わっていくのかもしれない。でも、それを補って余りあるビジュアルとしてのインパクトがあって、いくつかの写真・映像は、今後の小鷹研のアーカイブの中でも印象的に、使われていくことだと思う。あらためて、宮川さん、、普段はそんなに自信がある感じでもないのに、人前だとかカメラの前だとかで、瞬時にモードが変わって、輝くタイプ。小動物が危険を察知したように、ピンと背筋が伸びるのがステキ。社会人になっても、人前で何か演技をするようなサイドワークを続けてほしいな、って思う。
森くん(↑芸術工学会奨励賞を受賞)とは、もう3年以上の付き合いか。。「からだは戦場だよ」の黎明期から、小鷹研をともに歩いてきた(いい意味で)変人。。少なくてもこれから一年は、まだ付き合いが続きそうなので。あらためて、しんみりしたことを語るのを拒否させるような何かがあるんだよな、森くんは。
ということで、3人まとめて、おめでとう〜。またどこかで会いましょう。